『願いのアストロ』はつまらない? 打ち切りの真相と評価の理由を徹底調査

願いのアストロ つまらない

『東京卍リベンジャーズ』で社会現象を巻き起こした漫画家・和久井健が、「週刊少年ジャンプ」で満を持して連載を始めた新作『願いのアストロ』。

「次の大ヒット間違いなし」と多くの期待を集めてスタートした本作ですが、連載はわずか1年あまりで終了。ジャンプでまさかの打ち切りとなってしまいました。

一部では「つまらない」といった厳しい声も上がっていますが、その評価は本当に内容だけが理由だったのでしょうか?

この記事では、『願いのアストロ』がなぜ短い連載期間で終わってしまったのか、そして「つまらない」と評される背景にはどんな事情があったのかを、多角的な視点からわかりやすく解説します。

ストーリーの展開や読者の反応、「週刊少年ジャンプ」との相性など、さまざまな面から作品を深掘りしていきます。

目次

作品の基本情報と背景

『東京卍リベンジャーズ』で一大ブームを巻き起こした和久井健が、次に挑んだのは「週刊少年ジャンプ」での連載でした。

講談社から集英社への“移籍”という形で始まった『願いのアストロ』は、異能バトルと極道を組み合わせた独特の設定と、浅草を舞台にした重厚な世界観で連載開始前から注目を集めました。

第1話は巻頭カラーで掲載され、「ジャンプで和久井健が描く新しい物語」に多くの期待が寄せられたのです。

そんな話題作でありながら、連載は全50話で終了。単行本は全6巻のみの発行にとどまりました。「え、もう終わったの?」と驚いた読者も多かったはずです。

ここではまず、この作品がどんな内容だったのか、どのような形でスタートし、どこに関心が集まっていたのかを整理してみましょう。

願いのアストロ 基本情報

『願いのアストロ』は、和久井健が初めて「週刊少年ジャンプ」で連載した漫画で、ジャンルは異能×極道のバトルアクションです。

2024年20号(4月15日発売)から2025年21号(4月21日発売)まで掲載され、全50話で完結。

単行本は全6巻で、最終巻は2025年7月4日に発売予定です。累計発行部数は2024年12月時点で約25万部と発表されています。

物語の舞台は東京・浅草。極道組織「世剣組」の組長が亡くなったことで、後継者候補の少年・世剣ヒバルが、隕石の落下をきっかけに目覚めた特殊能力「アストロ」を巡る戦いに巻き込まれていきます。

家族や仲間との絆、力の継承をテーマにしたストーリーで、異能とアウトローを掛け合わせた世界観が特徴です。

和久井健にとっては、『東京卍リベンジャーズ』に続く新作であり、ジャンプでの初連載という節目の作品でもありました。そのため、連載開始時には「東リベの次回作」として大きな注目を集めました。

『願いのアストロ』って、どんな世界観の漫画なんですか?

本作は、異能×極道のバトルアクションというユニークなジャンルで、舞台は東京・浅草。極道組織の後継者争いや特殊能力「アストロ」を巡る戦いが描かれます。和久井健の新境地ともいえる設定で、前作との違いも楽しめる作品です。

東リベ作者の次作としての位置づけ

『願いのアストロ』が多くの人に注目された理由のひとつは、前作『東京卍リベンジャーズ』の大ヒットにあります。

社会現象とまで言われたその作品のあとに描かれる新作ということで、「次はどんなストーリーになるのか」と期待が高まっていました。

ただ、作品の方向性は大きく異なっていました。『東リベ』はタイムリープと熱い人間関係を描いた青春バトルでしたが、『願いのアストロ』は異能バトルと極道の継承争いという重めのテーマが中心です。

登場人物も冷静で、感情を爆発させるような描写は少なめ。テンションの高い展開を好むジャンプ読者には、少しとっつきにくく感じられたかもしれません。

ジャンプとマガジンでは作品に求められる雰囲気やテンポにも違いがあります。ジャンプでは、明快で勢いのある物語が好まれる傾向にありますが、『願いのアストロ』はそのスタイルとは少しズレがありました。

前作ファンの中にも、「雰囲気がガラッと変わってついていけなかった」「キャラに感情移入しづらかった」という声が見られました。

『願いのアストロ』は『東京卍リベンジャーズ』とはかなり違うんですか?

はい、物語の構造やテンション感が大きく異なります。『東リベ』は青春ドラマ要素が強かったですが、本作は極道要素と静かな緊張感が支配する構成。ジャンプのテンプレとは違う“ズレ”が見えるのも特徴です。

「つまらない」と言われる理由

『願いのアストロ』は、連載開始時こそ注目されていましたが、回を重ねるごとに「思っていたのと違う」「ちょっと微妙かも」といった声が目立つようになりました。

SNSやレビューサイトなどでは、「つまらない」という感想とともに、「なぜこんなに早く終わったのか?」という疑問の声も多く聞かれます。

もちろん、すべての読者がそう感じているわけではありません。ただ、作品の雰囲気やキャラクターの描き方、話の進め方などについて、読者の間で気になる点がいくつか挙がっていたのは事実です。

ここでは、その中でもとくに多かった意見を取り上げ、なぜ「つまらない」と言われてしまったのかを掘り下げていきます。

『願いのアストロ』が「つまらない」と言われる理由って、具体的に何があるんですか?

主に「物語展開の薄さ」「既視感のある設定」「読者層とのミスマッチ」が挙げられます。期待が高かった分、テンションが合わなかった読者の落胆も大きかったようですね。

展開が薄く共感しにくいという声

読者の中には、『願いのアストロ』の序盤で「主人公の目的がよくわからない」と感じた人が多くいました。

ヒバルが何のために戦っているのかがはっきり見えてこず、物語の軸がつかみにくかったことで、感情移入しづらくなっていたようです。

また、アストロという能力の仕組みや、登場人物同士の関係性も、説明が少ないまま進行する場面が多く、物語に入り込みづらかったという声も見られました。

ビジュアルや設定は魅力的でも、内面のドラマが弱く感じられた点が、「物足りない」と思われた理由のひとつかもしれません。

ジャンプ作品では、読者が感情を重ねやすいキャラや展開が好まれますが、本作はその面でやや控えめだった印象です。

物語に入り込みにくいって、どの辺が原因だったんでしょうか?

序盤では主人公の目的や動機が明確に描かれず、読者が感情移入しづらい構成になっていました。また、アストロの能力や人間関係の説明が少なかった点も、没入を妨げる要因になったようです。

東リベ・ワンピースの焼き直しとの批判

『願いのアストロ』に対して、「どこかで見たような設定が多い」という批判も一定数ありました。特に、前作『東京卍リベンジャーズ』や人気作『ワンピース』との類似点を挙げる声が目立ちます。

たとえば、「仲間との絆」「異能を使ったバトル」「組織の後継争い」など、要素自体は魅力的ですが、それが新鮮さに欠けて見えた読者もいたようです。「またこういう話か」「展開に驚きがない」といった意見が出ると、物語全体の印象にも影響します。

もちろん、完全なオリジナルは難しいですが、「和久井健の新作」としての期待が大きかった分、既視感が強まるとガッカリ感も強まってしまったのかもしれません。

「焼き直し」と言われるくらい、似た要素が多かったんですか?

たしかに「仲間との絆」「異能バトル」「組織内の争い」など既視感のある設定が散見されました。特に和久井健の前作や有名作品との共通点が指摘され、新鮮さを欠いたという印象を持たれたようです。

ジャンプと読者層のミスマッチ

もうひとつ指摘されたのが、「ジャンプ読者との相性の悪さ」です。週刊少年ジャンプでは、スピード感があり、テンション高めのストーリーが求められる傾向があります。

対して、『願いのアストロ』はやや落ち着いたトーンで、キャラの感情も抑えめに描かれていました。

設定も複雑で、物語が動き出すまでに時間がかかる構成は、ジャンプ的な“初速”とは相容れない部分があったようです。

「1話目で引き込まれなかった」「説明が足りなくて置いていかれた」といった声も見られました。

和久井健の作風は丁寧で魅力的ですが、それがジャンプの王道と少しズレていた。そうした相性の違いが、結果として読者の支持を得にくくした要因とも考えられます。

ジャンプ読者と作品の雰囲気が合わなかったというのは、どういうことですか?

ジャンプは「勢い」「熱さ」を重視する読者が多い一方、本作は「静かな葛藤」や「構造的な深み」を重視したスタイルです。テンポの違いが読者の期待とズレていたのが、評価の分かれ目になったと考えられます。

実際のレビュー評価は分かれている

『願いのアストロ』には否定的な意見が目立つ一方で、「自分は好きだった」「もっと読みたかった」といった好意的な声も確かに存在します。

レビューサイトやSNSを見ても、評価は一方的に悪かったわけではなく、好みがハッキリ分かれる作品だったことがうかがえます。

テンポのゆっくりした展開や独特の雰囲気を「静かでいい」と感じる人もいれば、「盛り上がりに欠ける」と思う人もいて、その受け止め方はさまざまでした。

このセクションでは、そんな肯定派の視点と、評価が割れた理由を改めて整理してみます。

実際には高評価している人もいたんですか?

はい、絵の迫力や構図のかっこよさ、静かなキャラ描写に魅力を感じたという声も多くあります。独特の世界観やテーマを好む読者には、非常に評価されていた作品です。

肯定派の評価ポイント

『願いのアストロ』を評価する声でよく見られたのが、「とにかく絵がかっこいい」「戦闘シーンに迫力がある」といったビジュアル面の魅力です。

和久井健らしいスタイリッシュな構図とスピード感のある作画は、本作でも健在で、「見ているだけでワクワクする」と感じた読者も多かったようです。

キャラクターについても、感情を表に出しすぎない落ち着いた人物像に魅力を感じるという声がありました。

特に主人公ヒバルの冷静で芯のある性格や、敵キャラたちの個性的な描き方に惹かれたという意見が目立ちます。

さらに、「アストロ」という能力の設定や、極道と異能が絡み合う世界観に面白さを感じた人もいました。

王道とは少し違うテイストを「新しい挑戦」と受け止めた読者からは、好意的な感想が寄せられていたようです。

どんなところが評価されていたんですか?見た目以外にも魅力があったんでしょうか?

絵のスタイリッシュさや戦闘シーンの迫力がまず高評価ポイントです。また、ヒバルをはじめとしたキャラの落ち着いた描写や、「異能×極道」という設定の新鮮さに惹かれた読者も多かったですね。

評価が分かれた背景

『願いのアストロ』が評価の分かれる作品になった理由のひとつには、読者層の違いがあります。

ジャンプでは、勢いのある展開や感情のぶつかり合いが好まれる傾向がありますが、本作はどちらかというとクールで、静かな空気感が特徴でした。

特に『東京卍リベンジャーズ』の熱さを期待して読んだ人にとっては、「思ったより淡々としている」「感情の盛り上がりが足りない」と感じたかもしれません。

その一方で、落ち着いたトーンや渋めの設定が好きな読者には、「じっくり読める良作」と映ったようです。

作品自体の出来というよりは、どんな読者が読むかによって、評価が大きく変わったそれがこの作品に対する感想が割れた一番の理由と言えるでしょう。

評価がここまで割れたのって、何が一番の理由なんでしょう?

一番大きいのは読者の期待とのギャップです。王道バトルを想像していた読者には落ち着いた雰囲気がミスマッチに映り、逆に静かで丁寧な描写を好む人には魅力的だったという違いが、評価の分かれ目でした。

打ち切りの背景:売上と編集判断

『願いのアストロ』は、わずか1年、全50話という短い連載期間で幕を閉じました。

連載前から大きな期待を集めていた作品だっただけに、「どうしてこんなに早く終わってしまったのか」と疑問に思った人も多かったのではないでしょうか。

ジャンプでは、連載の継続可否が読者アンケートや売上データをもとに決まるため、たとえ有名作家の作品であっても、支持が得られなければ早期終了は十分にありえます。

このセクションでは、実際の売上や掲載状況とあわせて、連載終了に至った背景を見ていきます。

短期で終了したのは、やっぱり人気がなかったからなんでしょうか?

人気の伸び悩みと、それに伴う売上や読者アンケートの反応が影響しています。ジャンプの連載は非常にシビアで、実績のある作家でも数字が出なければ打ち切りになることがあります。

売上・巻数・話数の推移

『願いのアストロ』は、2024年20号から2025年21号まで『週刊少年ジャンプ』で連載され、全50話で完結しました。

単行本は全6巻構成で、最終巻は2025年7月4日発売予定です。連載期間は約1年と、ジャンプ連載作品としては短めに終わっています。

2024年12月時点で、単行本の累計発行部数は25万部と公表されており、スタート時の話題性に比べるとやや控えめな数字です。

後半はジャンプ誌面での掲載順位が不安定になり、“打ち切りライン”とされる位置に並ぶことも多く見られました。

これらの状況から見ると、作品の完成度やメッセージ性に一定の評価はあったものの、読者層への浸透や継続的な人気には課題があり、人気の伸び悩みが早期終了の一因となったと考えられます。

短期で終了したのは、やっぱり人気がなかったからなんでしょうか?

人気の伸び悩みと、それに伴う売上や読者アンケートの反応が影響しています。ジャンプの連載は非常にシビアで、実績のある作家でも数字が出なければ打ち切りになることがあります。

編集部の方針転換と連載戦略

ジャンプでは読者アンケートが大きな影響力を持ち、作品の評価が連載継続に直結します。『願いのアストロ』も、連載初期は巻頭カラーや大きな特集が組まれ、編集部の期待が高かったことがうかがえます。

ところが、連載が進むにつれて読者からの反応が伸び悩み、アンケート順位も低下。話題性はあったものの、作品としての勢いが続かなかったことで、編集部側も扱いを見直していったようです。

さらに、ジャンプ本誌では近年、「わかりやすくテンポの良い作品」がより好まれる傾向があります。

『願いのアストロ』のように、じっくり進むシリアスな展開は、その路線とはやや異なっていたため、早めに見切りをつけられてしまったのかもしれません。

たとえ実績のある作家でも、結果がともなわなければ容赦なく判断されるのがジャンプの世界。今回の打ち切りも、そうした厳しい競争の中での判断だったといえるでしょう。

編集部の方針って、そんなに作品の命運を左右するんですか?

はい。ジャンプはアンケート至上主義とも言われ、読者の反応が直結します。期待されていた作品でも、反響が薄いと判断されれば早期終了になるケースが多いです。

読むべきか?向いている読者とは

『願いのアストロ』は打ち切りという結果に終わりましたが、それでも「自分には合っていた」と感じる読者もいました。

どんな作品でも、すべての人に刺さるとは限りません。むしろ、好みや期待によって評価が大きく分かれるのは自然なことです。

このセクションでは、『願いのアストロ』がどんなタイプの読者に合うのか、そして逆に「ちょっと違う」と感じやすい人がどんな傾向なのかを整理してみます。

結局のところ、どんな人に向いてる作品なんでしょうか?

テンポの速い王道バトルよりも、落ち着いた雰囲気や構造的な物語を楽しめる人におすすめです。ビジュアルのかっこよさや、静かに燃えるキャラクター性に魅力を感じる読者にとっては刺さる内容でしょう。

こんな読者には刺さる

『願いのアストロ』は、明るくテンポのいい物語よりも、やや落ち着いたトーンの物語を好む人に向いています。

複雑な人間関係や組織内の力関係が描かれる作品が好きな人には、世界観やキャラクターの描写に惹かれる部分があったはずです。

絵のクオリティや構図のかっこよさは本作の強みのひとつです。アクションシーンの迫力や、キャラクターの静かな表情に魅力を感じる人には十分楽しめる内容だったでしょう。

「異能×アウトロー」というジャンルの掛け合わせや、少しひねりの効いた設定を楽しめるタイプの読者には、新鮮な魅力として受け止められた可能性があります。

どんなタイプの人がこの作品を楽しめそうですか?

シリアスで落ち着いた雰囲気の物語や、異能と極道のような独特な世界観が好きな方におすすめです。また、キャラクターの静かな内面描写や迫力ある作画を楽しめる読者には刺さる可能性が高いです。

こんな人には向かないかもしれない

逆に、物語の導入で一気に引き込まれるような勢いや、感情がぶつかり合う熱い展開を求める読者にとっては、『願いのアストロ』は少し物足りなく感じたかもしれません。

特にジャンプ作品に慣れている人にとっては、キャラクターの感情が抑え気味だったり、関係性の描写がじっくり進む構成が「地味に見える」と感じられた可能性があります。

能力や世界観の説明がやや控えめだったため、「すぐに理解して楽しみたい」というタイプの読者にとっては、設定のつかみづらさがハードルになったようです。

逆に、どんな読者にはあまり向いていないんでしょうか?

ジャンプ的な「テンポの速い展開」や「感情のぶつかり合い」を期待している読者には物足りなく感じるかもしれません。また、世界観の説明が控えめなため、すぐに物語を把握したい人にはやや不親切に感じる可能性もあります。

issyによる『願いのアストロ』深層考察:「“ジャンプっぽさ”が裏目に出たとき、何が起きたか?」

Issy's Consideration in Perspectiveの画像

「和久井健がジャンプに来る!?」って、『願いのアストロ』の連載が発表された時はマジでワクワクしたよね。

東リベの次作、しかも舞台は浅草で異能×極道という激アツ設定。第1話は巻頭カラーだし、「これは来るぞ!」と期待した人、多かったはず。

でも、いざ連載が終わってみれば全50話・6巻という短期完結。SNSでも「つまらない」「ジャンプっぽいけどマガジン臭が…」なんて声があふれていて、ちょっと寂しい空気が流れてる。

でも、ここで大事なのは「なんで早く終わったか」をちゃんと考えること。単に人気がなかったってだけじゃ、あの作品の本質を見落としちゃう。

ってことで、ジャンプ好き・打ち切り漫画愛好家のissyが、『願アス』に何が起きたのかを、読者の声と作品の構造からじっくり見ていこう!

「ジャンプっぽいマガジン漫画」だった構造のねじれ

まずSNSでよく見かけたのが、「ジャンプっぽいマガジン漫画だった」っていう評価。これ、すごく的を射てるんだよね。

ジャンプってさ、「友情・努力・勝利」+初速のインパクトがめっちゃ大事。一方で、和久井健の持ち味は“じわじわ染みる”重さとか“情の深さ”にあるわけ。東リベがそれでヒットしたのも納得。

でも『願いのアストロ』は、その和久井節が薄まり気味。ジャンプに寄せて、トーナメント、能力バトル、後継者争い…と、テンプレを詰め込んだ結果、「あれ?これ魂入ってる?」って感じた人もいたのかも。

つまり、“ジャンプの仮面をかぶったマガジンの魂”だったってこと。これはもう、サイズの合わない服を着せられた感じに近いよね。

“やらされてる感”と“本気の熱”が交錯した中盤

とはいえ、個人的にグッときたのは中盤以降。たとえば「蟻道」の登場から、後半にかけての“継承と信念”のテーマとか、そこには確かに和久井健らしさが出てたと思う。

「静かに燃える怒り」とか、「背負うことの重さ」みたいな空気がちゃんと描かれてた。でも、たぶんそこにたどり着く前に、多くの読者は離れていってたんだよね。

ジャンプでは「最初の3話」が命ってよく言われるけど、本作はじっくり火がつくタイプ。

そのテンポが、ジャンプの読者層にはちょっと合わなかったのかもしれない。編集部としても、掲載順位の低下、売上の鈍化が見えた時点で、継続判断が難しくなったのは想像に難くない。

これは失敗じゃない。“型”と“個性”の格闘だった

ここで強く言いたいのは、「打ち切り=ダメな作品」ってわけじゃないってこと。

レビューやSNSでも、「絵がかっこよかった」「静かなキャラが魅力的だった」「バトルの構図が最高」って声は多かった。つまり、刺さる人にはしっかり刺さってた。

問題は、“どこで連載していたか”。ジャンプという舞台では、「ノリと勢い重視」が好まれる。

そこに“内面の葛藤を静かに描く”和久井健が挑んだ。これはもう、文化の違いのぶつかり合いだよね。ジャンプの土俵に立ったからこそ起きた摩擦。でもその摩擦の中で、ちゃんと“作家性”は見えてたと思う。

『願いのアストロ』は、完璧じゃなかったかもしれない。でも、ジャンプという場所で「ジャンプっぽさ」と「作家の個性」が本気でぶつかった貴重な作品だったと、issyは思う。

だからこれは、「つまらない」で終わらせるんじゃなく、「次にどう活かすか」を考えるべき漫画。

未完成な挑戦は、次の傑作を生むための種になるそれが『願いのアストロ』が残した一番大きな意味なんじゃないかな。そう思わない?

よくある質問

願いのアストロは何巻までありますか?

全6巻で完結予定です。最終巻となる第6巻は、2025年7月4日に発売予定です。

願いのアストロは何で読めますか?

紙の単行本や電子書籍で読むことができます。また、少年ジャンプ+やゼブラックなどの公式アプリでも配信されています。

願いのアストロの発行部数は?

2024年12月時点で、累計発行部数は25万部を突破しています。

願いのアストロはアニメ化されていますか?

いいえ、現時点でアニメ化の発表はなく、映像化の予定もありません。

『願いのアストロ』はつまらない?打ち切りの真相は?まとめ

この記事では、『願いのアストロ』の基本情報や評価、打ち切りの背景について詳しく解説しました。

  • 『願いのアストロ』は、『東京卍リベンジャーズ』で知られる和久井健が手がけた、異能バトルと極道の世界を融合させたジャンプ初連載作品
  • 展開のテンポやキャラクターの描き方に対しては評価が分かれ、「感情移入しにくい」「物語が進みにくい」といった声も見られた
  • 累計発行部数は約25万部とやや控えめで、ジャンプ読者の求める熱量やテンポ感とのギャップが打ち切りの一因ともされている
  • 一方で、和久井健ならではの迫力ある作画や、静かで渋めの世界観を評価するファンも存在
  • 明るく勢いのある展開よりも、落ち着いた人間関係の描写や、独自の空気感を楽しみたい読者には十分に刺さる可能性がある

『願いのアストロ』は読者の好みによって大きく評価が分かれる作品です。自分の読書スタイルに合うかどうか、ぜひ一度チェックしてみてください。

全体的には、読む価値ってある作品なんでしょうか?

読者の好みに大きく左右される作品ですが、静かな構成や作画の魅力を楽しめる方にはおすすめです。合わない人には響かないかもしれませんが、「異能×極道」という独特なジャンルを体験してみたい方は一読の価値があります。

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