『将棋の渡辺くん』が「打ち切りになった」とネット上で話題になっていますが、結論から言うと打ち切りではありません。本記事では、この誤解の真相を丁寧に解説します。
2025年現在も『将棋の渡辺くん』は別冊少年マガジンで連載中。単行本の刊行ペースはややゆっくりですが、継続して新作が発表されています。
作者・伊奈めぐみさんと渡辺明九段のユニークな日常を描いたこの作品は、実録スタイルで展開されており、明確な「終わり」が見えにくい点も特徴の一つです。
「本当に終わってないの?」「なぜ“打ち切り”と誤解されたのか?」といった疑問に答えるとともに、今後の刊行予想や作者・作品背景までわかりやすく解説します。
将棋の渡辺くんは打ち切りじゃない!
はっきり言います。『将棋の渡辺くん』は打ち切りではありません。現在も講談社の『別冊少年マガジン』で、きちんと連載が続いています。
にもかかわらず、たびたび「打ち切りでは?」という声が上がってきたのは、刊行ペースの遅さなど、誤解を招きやすい要素がいくつか重なっていたからかもしれません。
まずは、今どのような形で作品が続いているのか、現在の連載状況をしっかり確認していきましょう。

連載が続いてると聞きましたが、どうして「打ち切り」と言われているんですか?



それは刊行ペースがゆっくりで目に触れる機会が少ないため、誤解されることが多かったからです。実際には、公式に打ち切りの発表もなく、『別冊少年マガジン』で今も連載が続いていますよ。
『将棋の渡辺くん』は別冊少年マガジンで連載中
『将棋の渡辺くん』は、現在も講談社の『別冊少年マガジン』で連載されています。
講談社の公式サイトや電子書籍サービス「マガジンポケット」などでも、作品は連載作品として継続して紹介されています。
そして何より、これまでに打ち切りや連載終了に関する公式な発表は一切なく、あくまで一部の噂が先行しているにすぎません。
単行本の発売スパンが長いため、読者の目に触れる機会が少ない時期もありますが、それだけで打ち切られたと判断するのは早計です。作品は今も、確実に描き続けられています。
単行本の発売ペースと今後の刊行見通し
『将棋の渡辺くん』は、2013年6月号の『別冊少年マガジン』で連載がスタートし、現在も同誌で継続中です。
作品は1話6ページ前後のショートエピソード形式で描かれており、一般的なストーリーマンガと比べて単行本1冊をまとめるのに時間がかかる傾向があります。
そのため、刊行ペースはゆるやかで、平均して1年半前後の間隔を空けて新刊が発売されています。この刊行スタイルは連載開始当初から一貫しており、「次がなかなか出ない=打ち切り」と結びつけるのは誤りです。むしろ、丁寧に作品を積み重ねている証拠とも言えるでしょう。



単行本の刊行ペースが遅いのは普通なんですか?



本作は1話ごとのボリュームが小さいため、一定の話数をまとめるには時間がかかります。結果として刊行はゆっくりですが、それは制作スタイルに起因するもので、異常ではありません。
単行本の刊行履歴
巻数 | 発売日 | 前巻からの間隔 |
---|---|---|
第1巻 | 2015年12月9日 | ― |
第2巻 | 2016年8月9日 | 約8か月 |
第3巻 | 2018年3月9日 | 約1年7か月 |
第4巻 | 2019年8月9日 | 約1年5か月 |
第5巻 | 2020年9月9日 | 約1年1か月 |
第6巻 | 2022年4月8日 | 約1年7か月 |
第7巻 | 2024年2月8日 | 約1年10か月 |
第8巻 | 2025年6月9日予定 | 約1年4か月予定 |
「打ち切り」と誤解された理由


『将棋の渡辺くん』は連載が続いているにもかかわらず、たびたび「打ち切りでは?」という噂が広まってきました。
その背景には、作品の性質や発信のされ方に起因する、いくつかの誤解を招きやすい要素が存在しています。
このセクションでは、そうした誤解が生じた主な理由を5つに分けて紹介します。作品に対する理解を深める上でも、一つひとつ丁寧に見ていきましょう。
検索サジェストが「打ち切り説」を広めた



検索で「打ち切り」と出てくるのはどうしてですか?



それは多くの人が「将棋の渡辺くん 打ち切り」と検索したためです。検索サジェストは過去の検索傾向に基づいて自動生成されるため、事実とは関係なく表示されることがあります。
Googleなどの検索エンジンで「将棋の渡辺くん」と入力すると、「打ち切り」という言葉が候補として表示されることがあります。こうした検索サジェストは、過去に多くの人が同様のキーワードで検索した結果として自動的に生成される仕組みです。
何ら公式な情報がなくても「打ち切り」という言葉が目に入るだけで、「本当に終わったのかも?」という印象を与えやすくなってしまいます。このように、特定のワードが検索候補に表示されることで、事実ではない情報があたかも信ぴょう性のあるもののように見えてしまう現象は、いわゆる“サジェスト汚染”と呼ばれるものです。
実際には公式な打ち切り発表は一切なく、サジェストの表示が先入観や誤解のきっかけになっているにすぎません。
単行本の発売間隔が誤解を生んだ



単行本がなかなか出ないと、本当に終わったと思ってしまいます…



それは自然な反応ですが、本作は1年~2年という間隔で刊行されるのが通常ペースです。過去の巻も同じようなペースなので、連載は今も続いています。
『将棋の渡辺くん』は刊行ペースがゆっくりしており、各巻の発売間隔が1年から2年と長めです。このため、しばらく新刊が出ない期間があると、読者のあいだで「もしかして終わった?」という不安が広まりやすくなります。
実際には過去の巻も同様のペースで出ており、これは本作の通常運転とも言えるスタイルです。特にSNSやネットでの話題性が高い作品ではないため、単行本派の読者にとっては動きが“見えにくく”感じられることも誤解の一因です。
過去を振り返れば、定期的に新刊が出ており、連載がしっかりと続いていることは明らかです。刊行の間が空いても、それは打ち切りを意味するものではありません。
実録形式と長期連載が“打ち切り感”を強めた



10年以上も連載していると、そろそろ終わりそうって思っちゃいますね。



実録スタイルの作品は物語に明確な終点がないため、長期化すると“終わった感”を持たれやすいんです。ですが、本作は今も継続していますよ。
『将棋の渡辺くん』は、作者・伊奈めぐみさんが夫・渡辺明九段との日常を描く実録スタイルの作品です。
明確な物語のゴールが設定されているわけではなく、1話完結の構成が淡々と続く形式であるため、節目がわかりづらく、読者によっては「もう終わったのかも」と感じやすい特徴があります。連載開始からすでに10年以上が経過しており、一般的な漫画と比べてもかなりの長期連載です。
こうした背景から、「もう十分やりきったのでは」「そろそろ終わってもおかしくない」「ネタ切れなのかも」といった印象を抱かれやすく、それが“打ち切り感”につながっている面があります。実際には今も連載は続いていて、打ち切りの発表もありません。
作者の離婚が連載終了と混同された



作者と渡辺九段が離婚したら、連載も終わると思ってしまいました…



そう思う人は多かったようですが、離婚後も同居を続け、連載も継続しています。
2024年11月22日、渡辺明九段と伊奈めぐみ氏が離婚していたことが、2025年2月に公表されました。長年連れ添った夫婦の離別に驚いた読者も多い中で、SNS上では「連載はどうなるの?」という戸惑いや不安の声が少なからず見られました。
『将棋の渡辺くん』は、夫婦の日常をベースにした実録エッセイ形式であることから、「夫婦関係の終了=連載も終了」といった短絡的な連想が働きやすかったのかもしれません。実録という形式は、現実の変化が作品に直結する印象を与えやすく、それが余計な憶測を生んだと考えられます。
実際には連載終了の発表はなく、作品は今も継続中です。離婚後も二人は同居を続けており、渡辺九段との日常的なやり取りや観察が作品にそのまま生かされています。
今後別居などで接点が減れば、題材に影響が出る可能性はありますが、現状では生活スタイルも大きく変わっておらず、連載に支障は見られません。
作品とは無関係な炎上が誤解を生んだ



炎上したら作品まで終わるって思っちゃうのも無理ないですね。



確かに印象は影響しますが、本作の連載には影響なく続いています。風評だけで判断するのは早計です。
『将棋の渡辺くん』のモデルである渡辺明九段は、2016年に将棋界で大きな注目を集めた「スマホ不正疑惑」の中心にいました。
この問題は作品そのものとは無関係でしたが、「炎上」「批判」「謝罪」といった言葉とともに語られることで、読者の中には「連載も終わるのでは」と考える人も出てきました。
実際、当時のX(旧Twitter)上では「打ち切り待ったなし」「打ち切り必至だろうなぁ」といった投稿も見られ、外部の出来事が作品と結びつけられてしまう状況が生まれていました。
「イメージが悪くなったから、もう描けないだろう」といった推測が、根拠のないまま事実のように拡散されていったのです。騒動のあとも連載は打ち切られることなく続いており、現在も継続中です。
作者と渡辺明のプロフィール&作品との関係
『将棋の渡辺くん』の背景にある人物像や関係性を理解することは、作品をより深く楽しむための鍵になります。
このセクションでは、作者である伊奈めぐみさんと、モデルである渡辺明九段のプロフィールを紹介しつつ、二人の出会いや作品における立ち位置について触れていきます。
離婚後も連載が続いていることを裏付ける、実生活と作品のリアルな距離感についても整理します。
詰将棋が縁で出会った2人のプロフィール



作者と渡辺明さんって、どうやって出会ったんですか?



お二人は2003年に詰将棋チャットを通じて知り合いました。その後、将棋関係者の集まりで対面し、交際・結婚・出産と自然な流れで関係を築いていきました。
『将棋の渡辺くん』は、漫画家・伊奈めぐみ氏が、夫である渡辺明九段との日常を描いた実録エッセイ漫画です。将棋界を代表するトップ棋士である渡辺九段の素顔や、家庭内でのユニークなやり取りを妻の視点で切り取った本作は、多くの読者に親しまれています。
二人の出会いは2003年、詰将棋チャットでの交流がきっかけでした。春に行われた将棋関係者の集まりで初めて対面し、当時18歳の渡辺氏と23歳の伊奈氏は5歳という年齢差がありながらもすぐに交際を始めました。翌2004年には妊娠と結婚を同時に発表し、同年7月には長男・柊(しゅう)さんが誕生します。
伊奈氏は神奈川県逗子市出身で、兄は将棋棋士の伊奈祐介七段。自身も日本将棋連盟の女流育成会に所属していた経験があり、将棋界に深く根ざした家庭環境が現在の作風にも影響を与えています。
2007年に始めたブログ「妻の小言。」が編集者の目に留まり、2013年に『将棋の渡辺くん』の連載がスタートしました。初めての商業連載ながら、実生活を題材にしたユーモラスなスタイルで安定した人気を得ています。
一方、渡辺九段は将棋界を代表するトップ棋士でありながら、ぬいぐるみが大好きで集めているという一面も持ち合わせています。このギャップが作品内でもユーモラスに描かれ、読者から親しまれています。
離婚後も続く“いつもの日常”と創作のかたち



離婚しても一緒に住んでいて、連載も続いてるって本当ですか?



はい、本当です。伊奈氏と渡辺九段は離婚後も同居を続け、『将棋の渡辺くん』を描き続けています。
2024年11月、伊奈めぐみ氏と渡辺明九段が離婚届を提出したことが、翌2025年2月に公表されました。長年にわたる夫婦関係に一区切りがつけられたという報告に驚く声があがる一方で、注目されたのはその後も二人が同居を続け、『将棋の渡辺くん』の連載も継続するという異例の選択でした。
伊奈氏は「生活スタイルも漫画も変わりません」と明言し、渡辺九段もSNS上で作品への応援を表明。夫婦という形式は解消されても、創作のパートナーとしての関係は揺らぐことなく続いています。
実録形式でありながら、この作品は現実を忠実に再現するものではなく、日常の面白さや人物の個性をユーモラスに描き出すスタイルです。
ぬいぐるみ好きで少し不器用な渡辺九段の姿や、夫婦(元夫婦)ならではの掛け合いは、今も変わらず“ネタの宝庫”として描かれています。離婚という大きな変化を経ても、作品はこれまでと同じ空気感のまま、穏やかに描き続けられています。
よくある質問
- 『将棋の渡辺くん』の発行部数はどれくらいですか?
-
2024年時点で、発行部数は50万部を超えています。
- 将棋の渡辺くんの売り上げは?
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第1巻の印税は東日本大震災、第2巻の印税は熊本地震の義援金として、いずれも日本赤十字社に寄付されています。
- 将棋の渡辺くんの妻は誰ですか?
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作者の伊奈めぐみさんです。渡辺明九段の元妻で、2024年11月に離婚しましたが、現在も同居しています。
- 渡辺明の家族構成は?
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伊奈めぐみさんとの間に男児がいます。離婚後も同居を続けているようです。
将棋の渡辺くんは打ち切りじゃない!まとめ
この記事では、『将棋の渡辺くん』が打ち切りではなく、現在も連載中である事実と、その誤解の背景について詳しく解説しました。
- 『将棋の渡辺くん』は別冊少年マガジンで連載が継続中
- 単行本は1年〜2年ごとのペースで定期的に刊行
- 打ち切りと誤解された要因は検索サジェストや刊行間隔など
- 作者とモデルである渡辺明九段は離婚後も同居し連載継続
- 実録形式ながらもユーモラスな創作で日常を描き続けている
『将棋の渡辺くん』の連載は今も穏やかに続いています。最新刊の情報もチェックしながら、これからも作品の魅力を楽しんでいきましょう。



結局、『将棋の渡辺くん』は本当に今も連載しているんですか?



はい、現在も講談社の『別冊少年マガジン』で連載が継続中です。刊行ペースがゆっくりなだけで、打ち切りにはなっていません。安心して今後も読み続けられますよ。
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